円の支配者 誰が日本経済を崩壊させたのか

円の支配者 - 誰が日本経済を崩壊させたのか

円の支配者 - 誰が日本経済を崩壊させたのか








遂に日銀の秘密が
明るみに出た!

バブルの創出も崩壊も
日銀の「日本改造10年計画」の中に
組み込まれていた!

この本は新進のドイツ人研究者による、
真に衝撃的な、日銀と日本経済の研究である。


われわれはこの本をとおして、初めて、
バブルの創出と崩壊、
この十年の日本の苦境の真因を知るだろう。


政府が景気回復に向けて必死の努力(?)を重ねていたとき、
なんと日銀は信用を収縮させ、
景気の回復を故意に遅らせたのである。

なぜなのか?

平時の日本の歴史で最も目にあまる
経済政策の失敗の責任は大蔵省にあるというのが一般的な見方だ。


不況によって、
日本の古い経済体制はもはや機能しなくなった。

だが、ほんとうに日本流の資本主義を捨てる必要があるのだろうか?

80年代には、日本の経済体制はいまよりはるかに閉鎖的で、
カルテルが幅をきかせ、統制されていたのに、
誰も当時の経済成長率が低すぎたとは言わない。

じつは経済成長は何かべつの要因で左右されている。

お金は銀行と中央銀行で創られる。

だが1990年代の大半を通じて、
どちらも充分なお金を生み出さなかった。

日本銀行は資金需要がなかったと主張する。


日銀はよく、
すでに充分なお金を経済に注入しているという。

だが、これは真実ではない。

日銀が主としてお金を注ぎ込んだのは
ごく狭い短期金融市場であり、
この市場にアクセスできるのは銀行だけで、
企業も政府も手が出せない。


2001年3月19日に、日銀はついに政策を転換し、
「思いきった(量的)金融緩和」に踏み切ると発表した。

しかし、日銀はなんら変わっていない。

日本銀行当座預金を円滑に供給するうえで必要とされる場合には、
・・・長期国債の買い入れを増額する」

これもまた、実体のない約束だ。

高い失業率を記録してきたこの十年、
日銀はいつでも国債買い入れを増やすことができた。


だが不思議なことに、
日銀はそれが必要だとは考えなかった。

いまそれが必要だとも言明していない。

デフレがひろがるにつれて、
金融政策が長期不況の原因だと気づく人々が増えてきた。

充分なお金を創り出して実際の成長率を潜在成長率に近づけ、
それによってインフレにもデフレにもならないようにするのは、
中央銀行の仕事である。

日本は1990年代を通じて高度成長できたはずだ。
日銀がそう望みさえすれば、である。


「大事なことは、一時的な経済成長率の引き上げをめざすのではなく、
腰をすえて構造的課題の解決に取り組むことではないかと思います」
    ・・・速水日銀総裁

1995年はじめや97年、99年の大半のような重要な節目で、
日銀は経済に流通するお金の量を減らすことまでした。

不況を長引かせてきた張本人たちが、
じつは1980年代のバブルを生み出したのと
同じ人々であることを明らかにする。


「もっとたくさんお金をつくったら、景気は回復するでしょう。
だが、それではなにも変化しないでしょう。
日本の構造問題は解決しないのですよ」
    ・・・あるセントラル・バンカー

日銀は経済構造を変革するために、
意図的に不況を長引かせているのだろうか?

そもそも不況を創り出したのも日銀なのだ。

経済改革と社会改革を実行するのは、
中央銀行の仕事だろうか?

それもこれほど大規模に、
これほどの代償をはらって、

このように秘密裏に運んでいいものだろうか?