なぜ企業不祥事は起こるのか

なぜ企業不祥事は起こるのか―会社の社会的責任

なぜ企業不祥事は起こるのか―会社の社会的責任

目次

第1部 基盤―アメリカ企業の哲学(アメリカ流自由主義とその根本的欠陥―企業問題の根底にあるもの
完璧なる「外部化マシン」
企業心理―役割統合の制約
富は価値か)
第2部 構造的な罠―法の名の下に(経営者―ジキル博士かハイド氏か
伝統的な株主―生ける死者の夜
新たな株主―クオトロンを持ったキングコング
見捨てられた株主
ディルバート社会?―アメリカの企業労働者)
第3部 海外のアメリカ人(資本主義、社会主義、民主主義
伝統的アメリカと誤ったアメリカ―拡大するアメリカの経済帝国主義)


日経BP企画
なぜ企業不祥事は起こるのか
過去100年の歴史を振り返ると、米企業は素晴らしい成果を上げてきた一方、環境を汚染し、危険で粗悪な有害商品を作り、あらゆるレベルの労働者を使い捨て同然に扱うなど反社会的な行為も数多く行ってきた。商法学者である著者は、こうした米企業の「無責任性」は短期的な株価最大化への傾倒が主因だと指摘。米国型経営を批判しながら、長期的に繁栄する企業経営のあり方を考察する。

米企業のモラルが薄れている根底には「行き過ぎた個人主義」「他者を思いやる心性の抑圧」といった米国の社会・文化・倫理的な問題があると解説する。また、米国の会社法は、経営者に対し、責任と道徳観を持って行動する自由を制限し、短期的な業績達成へと走らせているとして、構造的な不備にも触れている。

著者は無任期取締役会の創設、株主に短期的投機ではなく長期的投資をさせるような税制上のインセンティブ導入など、責任ある企業行動と持続可能な繁栄を実現するための具体的な措置を提言する。短期的視点に基づいた株主価値優先の企業行動は、米国、ひいては世界の繁栄を危険にさらすものであり、こうした米国流経営スタイルの“輸入”は「将来に禍根を生む選択」とも警告している。


(日経ビジネス 2006/01/09 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)


内容(「BOOK」データベースより)
会社が人を支配する時代から人が会社を支配する時代へ―気鋭の米国商法学者が、株価最大化を至上命令とする、株主本位・短期的視点の「アメリカ型経営」に真っ向から挑み、株式会社の将来像に迫る!会社は誰のもの、会社の目的は何か―根本的な問いに答える、経営者・ビジネスマン必読の書。

内容(「MARC」データベースより)
株主重視・短期的視野の「アメリカ型経営」には重大な欠陥があり、不祥事も続発している。気鋭の米国商法学者が、企業の本質を問い、アメリカ追従を警告する。