覚悟はよいか日本 「史上最強のアメリカ」にどう立ち向かうか








ドルによる完璧な世界支配、
次々生みだされる超先端技術。

かつての競争相手はもはや手が届かなくなった!
アメリカにバブルの崩壊はない
●アメリカのテレビは地上波を奪われる
●遺伝子工学の新時代がはじまった
●ブッシュ政権とは一体何か?
●ドルはこれから強くなる
●中国はアフリカの三流国並だ
●憲法第9条が日本経済の足を引っ張る

人類の歴史上、文字通りの大変化が世界に起きつつある。
だが日本の人々は、
その変化が日本にもたらす大きな衝撃に気がついていないようである。
ハンティントン博士が指摘するように、

日本が地理的に孤立しているうえ、
日本語をはじめとする文化があまりにも個性的で、
世界の文化圏のどこにも属していないからであろう。
日本はいま世界から孤立している。

日本のマスコミはアメリカが新孤立主義をとり始めたなどといっているが、
本当の意味で孤立しているのは日本である。


孤立しているだけでなく、
世界に起きている大きな変化のもたらす
新しい国際情勢と将来への見通しを立てられない。

アメリカは一人勝ちして傲慢になり外交政策をなくした」
    ・・・キッシンジャー博士
「世界がアメリカ化しようとしているとき、従来の外交戦略は必要ない」
    ・・・オドム元国家安全保障局長官 ハドソン研究所

デジタル技術に基づく情報通信の変化とそれに基づく国際社会の変貌は、
日本人の想像を超えるような決定的な衝撃を日本に与えるが、
その最大のものは日本経済の基本である日本円が受ける影響である。

日本円はいま、
独自の形で存在できるかどうかという大きな危機に直面している。

日本か孤立して世界の変化から取り残されてしまえば、
いくらモノづくりで優れていても日本円は世界から受け入れられなくなる。


円をドルの一部にしたほうが、
ドルにとってもアメリカにとっても得になるのは明らかだ。
今後アメリカは意図的にドルの力を強くし、
日本円をその一部にしようとしてくるに違いない。


世界でもっとも変化が速く、しかもその変化が急激なアメリカ。
そのアメリカが人類の節目になるような大変化を起こしつつある。

日本はその衝撃に対応する覚悟ができているのか。
国際的な変動のもたらす危機を乗り越える覚悟はあるのか。

「日本は長距離マラソンのランナーで、
いまは落伍しているがまもなく調子を取り戻してトップに出てくる」
    ・・・キッシンジャー博士


「日本人の明治維新におけるエネルギーを考えると、
日本がこのまま脱落していくとは考えられない」
    ・・・ブッシュ前大統領


「日本国民は第二次大戦のあと、資源もないまま、
努力と手だけで巨大な経済をつくり上げた。
日本がこのままくたばることはない」
    ・・・出光昭 出光興産社長


しかしながら外部から日本を見ると、
日本の今の指導者をはじめ国民は、
日本の外の変化、環境の変わり方に気がついていない。

完全に孤立している。

世界最大クラスの日本経済の欠点は、巨大ではあるが、
現在の世界経済の体制の中では
あまりにも古い体質になってしまったことである。

日本経済は依然として官僚体制の規制と、
銀行の強力な資金体制の下に置かれている。
このようなシステムは、
コンピュータによって情報が広く行き渡るようになり、
権力が情報を独占することができなくなった現在では
一世代古いものになりつつある。

いまの日本の指導者たちは、世界の経済が、
そして世界がまったく変わってしまったことに気がついていない。

「政治家は単に容易な問題の解決だけを求められているのではない。
容易な問題はひとりでに解決されることが多い。
バランスが崩れ、物事の大きさの見当がつかなくなったときこそ、
世を救う決断の機会が現れるのだ」
    ・・・ウィンストン・S・チャーチル 
       『第二次大戦』河出書房新社