ネズミ式 会社で生き残る癒着と陰謀のテクニック

ネズミ式 会社で生き残る癒着と陰謀のテクニック

ネズミ式 会社で生き残る癒着と陰謀のテクニック

目次

第1章 下水溝へ、ようこそ
第2章 害虫都市テスト
第3章 活動の舞台
第4章 九つの力の源泉
第5章 陰謀と手段
第6章 ネズミのゲーム
第7章 策略の歴史
第8章 エピローグ・最も長い日の始まり


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過激なタイトルである。著者は経営コンサルタントや組織改革の専門家として長いキャリアを持つ人物で、この世は「害虫都市」「下水溝」であるとし、ネズミのように生き残ることを勧める。たとえば会社員であるなら、道徳心を捨て上司を欺き、必要とあらば同僚を陥れる、そんな処世術を提唱しているのだ。人間社会に悪意と陰謀がはびこっていることは事実である以上、「下水溝」とは言い得て妙かもしれない。

第2章「害虫都市テスト」では、12点以下の人間は「愚かなネズミ」であり、純粋で素朴な心をいずれ捨てねばならぬと断言される。以下すべてがこの論調であるが、なかでも第5章「陰謀と手段」は本書のハイライトだろう。ここでは陰謀のレパートリーを「特定の相手に対する行為」「第三者を利用する行為」「自分自身の行為」に分類し、さらに「賄賂」「弱点を支配する」「屈辱を与える」「リークとゴシップの活用法」といったテクニックを紹介していく。たとえば弱点を支配するためには、相手の不安を故意に煽ること、そのうえで不安を少し軽減してやること、といった宗教の教祖のテクニックが応用できるというのだ。

本書で紹介された技術を応用しようとする読者がどれだけいるのかは疑問である。権謀術数に長けた人間であればガイド本など読まずとも、すでに実行しているのではないか。もっとも本書には別の受け取り方もある。まず本気半分、冗談半分で書かれた社会批評として読むこともできる。またここで披露される陰謀の技術は、裏返せば悪意から身を守るための技術でもあるのだ。敵を知り己を守るために目を通しておくのも悪くないであろう。(工藤渉)

内容(「BOOK」データベースより)
本書は、誰も教えてくれなかった悪だくみの指南書である。生き残りをかけた悪だくみのすべて。