なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学

なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学

なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学








売れる店作りの秘訣!


「買いゴコロ」をくすぐる、
「売りゴコロ」の秘訣
売れる店にはわけがある。


ちょっとした工夫で、売上効果絶大。
「つい、買ってしまう」「絶対、買わせる」
のしくみ、大解剖!

・売れ行きを左右する尻こすり現象って知ってる?
・銀行の両脇の店舗が売れないって本当?
・女性は女同士だとショッピングの時間が長くなって、
 男連れだと短いのはどうして?
・買い物カゴの種類は一つしかないと思ってない?
・レジでの待ち時間を短縮する画期的な方法とは?

徹底したフィールドワークで、
「商品化計画から商品の陳列・販売促進にいたる小売の店づくり」と
「見落としがちな顧客の行動と思考パターンへの対応」、
「変化する顧客のニーズへの対処」を明かす。


文化人類学者が旧来の買い物客を取り上げ、
彼らとショッピング環境(商店のほかに銀行、レストランも含む)
のかかわりかたを研究し、
そのときラック、棚、陳列台、看板、バナー、パンフレット、
道順の案内、コンピュータを利用した対話型情報案内、
入口、出口、窓、壁、エレベーター、エスカレーター、
階段、スロープ、レジの列、銀行の窓口の列、カウンターの列、化粧室の列、
あらゆる通路の端から端 − 駐車場の隅から店のいちばん奥 − 
まで漏れなくカバーすれば、
それがショッピングの科学の始まりといえる。

・試着室にもって入ったジーンズを実際に買う割合
    男・・・・65%
    女・・・・25%
・コーンチップスを買う前に袋の栄養表示成分を読む客の割合
    企業や学校のカフェテリア・・・・18%
    町のサンドイッチショップ・・・・2%
・コンピュータを眺めている客が実際に買う割合
    土曜日の午前中・・・・4%
    午後5時以降・・・・21%
・ショッピングモールの家庭用品の店で
    客が買い物カゴを使う割合・・・・8%
    カゴを使う客が実際に品物を買う割合・・・・75%
    反対にカゴを使わない客が品物を買う割合・・・・34%

人びとは危険なくらい商品売りこみ合戦の渦中におかれた状態にある。
あまりにも多くのものが、あまりにも多くの販路を通じて売られているのだ。


小売業者が新たに店を開くのは、もはや新しい市場をめざしてのことではない。
他の店の顧客を横どりしようとしているのだ。


それと同時に、われわれの目の前でブランドの影響力が崩れかけている。
ブランドに価値がないわけではないが、かつてほどの絶対的な力をもたなくなった。
ひと昔前かふた昔前には、人生の早い時期にブランドを決めたら、
最後までそのブランドへの忠誠が貫かれたものだった。

買い物客は店にいる時間が長くなるほどたくさん買う。
店が店内に滞留する時間は、その場がいかに快適で楽しいかによる。
小売業者はそんなに無知なのか。
「あなたの店で、実際に品物を買うのは来店者のうち何人ですか?」
「女性が化粧品を買うのに費やす時間は、
 一回の来店についてどれくらいでしょうか?」