覇者の未来

覇者の未来

覇者の未来








通信インフラをコントロールする以外に
生きる道はない・・・


やがて訪れる世界規模でのIT産業再編の大波・・・。
コンピュータ、通信、情報家電、コンテンツの4分野が収束され、
数兆ドルの巨大市場が姿を現す・・・。
戦慄のネットワーク時代で生き残るための条件とは何か?
そこでリーダーシップを握るのは誰か?


パソコンブームに沸くこの業界の市場の原動力が、
ネットワーク時代の本格的到来とともにマイクロプロセッサの性能から
通信回線の容量と速度に変わり始めた。


マイクロソフトインテル
IBMから業界リーダーの地位を奪うことができたように、
市場にはまた新たなパワーが誕生するであろう。
そのパワーとは一体何か?
そこで市場を制覇するのは誰か?

今日の覇者は未来の覇者ではない・・・

コンピュータ業界には特筆すべき点が多い。
技術進化の速さという点で言えば、おそらく産業史上他に類を見ないだろう。


デジタル技術は、汎用性が高いため、世代を追うごとに価格性能比が向上し、
予想を超えたレベルで、使用範囲が拡がり続けている。
これほど多方面に利用できる技術は、電力の誕生以来であろう。

・21世紀のIT業界の構成はどうなるのか。
・インターネットをコントロールするのはどの分野か。
・業界全体に影響力をもたらす新たなパワーはその市場から生まれてくるのであろうか。
・競争の状況はどのように変わるのか。
・米国企業は現在の国際市場支配状態を維持できるのか。

ビジネス、エンターテインメント、ライフスタイル、教育などどの分野であろうと、
社会的に作り出される商品やサービスの多くが、
サイバースペースを念頭において作られていくということだ。

未来社会では、どこかのネットワークにつながっていることが
今日の電話のようにごく当たり前のことになるだろう。

PC時代も大きな変革のひとつは水平業界バリューチェーンへのシフトである。
ネットワーク中心時代は、それよりもさらに大規模の構造変革を引き起こし、
世界のサプライヤの序列に再び揺さ振りをかける。


今日のインターネットと将来のネットワーク・インフラで利用される
アプリケーションは、社会自体と同じように多様で複雑になる。
アプリケーションはテクノロジーの人気と利用度を決める。
また、開発の方向を決めると同時に、民間企業の投資意欲にも影響を与える。


ネットワークの通信速度とソフトウェアの機能がどの程度必要かということも、
アプリケーションによって大幅に異なる。

ネットワーク中心時代を動かすのは、
要求されるアプリケーション、それらに必要な技術、
それに関連するサプライヤの事業戦略の相互作用である。

ソフトウェア市場は、引き続きアメリカが主導権を握る可能性が高い分野である。
しかし、ネットワーク中心時代のパラダイムシフトによって、
ソフトウェアとネットワークが連携するようになり、
サプライヤ間の競争が再び再燃すれば、これまでこの業界のパターンであった
「事実上の独占」のあり方も変わってくるに違いない。


ソフトウェア製品が単体販売ではなく、価値のあるネットワーク・サービスや
コンテンツ提供事業にバンドルされるようになれば、
ソフトウェアの出荷本数が急増したとしても、
ソフトウェア・ベンダーのIT市場における相対的なパワーや
IT業界全体への影響力は次第に弱体化していくだろう。


ネットワーク中心時代の到来が企業コンピューティングに与える影響は、
かつてのPCの影響よりも大きくなるだろう。
これまでの情報システムが車内機能の自動化を主眼としていたのに対して、
ネットワーク時代の情報システムでは、
顧客やサプライヤなどの外部への接続が重要になる。


情報集約産業が変容し、
ビジネスと消費のコンピューティングが融合されるにつれて、
産業のパターンも変化を余儀なくされる。