センターレスコーポレーション ポスト持株会社の組織モデル

センターレスコーポレーション―ポスト持株会社の組織モデル

センターレスコーポレーション―ポスト持株会社の組織モデル








ビックバンの到来とともに、
「経営破壊」が
今まさに大きく進行している。


新しいパラダイムのもとで
これまでの秩序が次々と破壊され、
旧来の延長線上にはない
新たな経営モデルが模索されている・・・


「センター」(中央)に依存した組織運営は
もはや限界にきている。

「センターをなくした(センターレス)」組織モデルこそが、
迅速な意思決定、機動的なオペレーションの遂行を可能にし、
企業の競争力構築の基盤となるのである。

テクノロジー、特にコンピュータや通信技術の発達が、成功するビジネスを構築、
コントロールする要件をことごとく塗り替えてしまった。

距離はますます障壁ではなくなってきている。
今では競争の基盤は、資産ではなく、能力へとシフトしている。

多くの企業は知的資産を構築して活用するプロセスの重大さに気づいている。


急速に変化する現代社会では、スキルはすぐ陳腐化するため、
新たなスキルに常にアクセスできなければならない。

企業はスキルへのアクセスをいかに確保すればよいのだろう?
ニーズにマッチしなくなったスキルを持つ人の処遇はどうすればよいのだろう?
変化していく人口構成にどう対処すればよいのだろう?

共働き夫婦は普通になっている。
家族の価値や個人の時間が何よりも重要とみなされている。
古い型の従業員の忠誠心はすでに死滅している。


ビジネスは、消費者のとどまることを知らない要求に合わせて、
かつてない速さで進んでいる。
新製品も記録的速度でマーケットになだれ込む。


情報は前例のない速さで、世界中のいたるところで、
いつでも入手できるようになっている。
拡大を続ける情報ハイウェイによって、
消費者も競合他社も互いに瞬時にアクセスできるようになった。


産業構造は進化し続けている。
中には産業の定義が変化しているケースもある。


環境は厳しさを増し、ペナルティは過酷になっている。


資本市場は劇的に進化した。
投資家はより活動的になり、情報収集に励み、
優れた業績を要求して、企業変革を促す代理人となっている。


ビジネスに対する不信感が世論の前面に台頭し、
人々は企業の社会的責任について問い直している。
企業は、株主に対して価値の創造を達成するという基本的使命を実行しようとすると、
厳しい批判を浴びてしまうのである。