ネットビジネス戦略入門 すべてのビジネスは顧客指向型になる

ネットビジネス戦略入門―すべてのビジネスは顧客志向型になる

ネットビジネス戦略入門―すべてのビジネスは顧客志向型になる








情報戦略の鍵は
ネットビジネスにあり


IT業界でもっとも著名なコンサルタント
米国企業16社を徹底分析、
成功するネットビジネス戦略を
指南する
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インターネットで
成功する企業と
失敗する企業は
どこが違うのか?

「もし一年以内にネットの世界で利益を得たいのであれば、絶対にこの本を読むべきだ!」
    マーサ・ロジャーズ 『One to One マーケティング』著者
「この本は、ネットビジネスがこれから直面する重要な問題を正確に捉えている。
 とても有益で、明解、かつ読みやすい」
    ギデオン・サッソン チャールズ・シュワブ社(オンライン証券)副社長
「これは、本気でウェブ戦略を考える人のための本だ!
 私は、自分のビジネスをインターネットへ広げようと考えている友人全員に
 この本を送るつもりだ」
    ビル・ジョイ サン・マイクロシステムズ社 情報担当副社長

成功するネットビジネス戦略を立てることのメリットは、
第一に(そして最も重要なことだが)競争の中で生き残っていくことができること、
そして第二に以下のような効果が期待できることである。
 ・優良顧客の増加
 ・収益の向上
 ・新製品の市場投入にかかる時間の短縮
 ・最もコスト効率のよい方法による、個々の顧客への適切な接触
 ・取引にかかるコストの削減
 ・顧客サービスにかかるコストの大幅な削減
 ・顧客サービスにかかる時間の大幅な削減


ウェブを介してのみ存在する(少なくとも顧客からはそう見える)新しい企業が出現し始めている。
しかし、こうした企業は従来型のビジネスにはなかった新しい問題点を抱えている。
それは、いかに顧客を自社のサイトに惹き寄せ、
どうやって物理的な対面のやり取りをせずに顧客を保持するかという問題である。

こうした企業はどうやって熱狂的ともいえる優良顧客層を保持しているのだろうか。

ネットビジネスをそれだけが独立した形態で実現させることはできない。
インターネットコマースはより視野の広い電子的なビジネス戦略、
すなわち顧客との電子的な取り引き方法
(電話やファックス、電子メール、キオスク端末機(街頭などに設置されている様々な情報端末機)、
携帯コンピュータ、ウェブなど)をすべて取りこんだ戦略の一部となるべきなのである。

ほとんどの企業にとって、
ウェブの存在は、既存のビジネスモデルからかけ離れたものではなく、
それを理論的に拡張させたものである。
これは、顧客との新しいチャネルなのであり、新しいマーケティング媒体なのである。

まず第一に、最も収益性の高い末端顧客
(最も収益性の高い取引先ではなく)に焦点をあてることから始めなければならない。
もし設立されたばかりの組織でまだ顧客がいないなら、
最も利益を生み出すと思われる市場分野をターゲットにするのがよいだろう。


第二に、末端顧客に関する情報をどのくらい持っていて、
それがどのように管理されているかに着目する必要がある。
重要なのは、狙いを定めるべき顧客が誰なのかを知ること、
そしてその顧客との取引に関する基本的な情報を手元に持つことである。


次に、顧客の立場になって考えることが重要である。
彼らのもとを訪れて、どうやって業務を行っているのか、そして顧客が一般消費者ならば
どんなことに関心を持っていて何に価値を見出しているのかを調べる。


目標は、顧客が自社と業務を行う上で障壁になっていることを見つけて、
それを排除し、顧客志向型の業務プロセスを再設計することである。
ただし、こうした障壁の多くは自社の業務の中には見つからないこともある。


顧客にとっての最適なシナリオが描けたら、
その中で生じる重要なビジネスイベントを識別して業務プロセスを設計していく。
こうした業務プロセスやビジネスイベントを扱う際に、
重要な隠れたポイントになるのが顧客情報である。
業務上の個々のステップを実行するには、システムが顧客に関する大量の
(すでにもっている量よりもさらに多くの)情報をもっていなければならない。


顧客情報について、
そして顧客からどんな情報を引き出すべきなのかを考える段階が次である。
同時に、いつどうやって自分の情報を提供してもいいと考えているかを
顧客に聞くことも重要である。
今日、あらかじめの通知と承諾なしで、
自分の情報が収集されることほど顧客を憤慨させるものはない。
顧客は、提供した自分自身の情報が少しだとしても、
それに対する直接の利益を求めるものである。


提供した情報をもとにして、顧客がビジネスしやすい環境を提供するなら、
顧客はその趣旨に賛同して情報を提供するだろう。
最も望ましい方法は、顧客に自分の情報へのアクセスを提供して、
それを頻繁に更新するよう仕向けることだろう。
そして、最も簡単な方法は、定期的にファックスか郵送でそれを顧客へ送ることである。
自分の情報が変更されるたびに更新情報が見れるのは安心感をもたらすからである。


ここまでで、ビジネスイベントと共にいくつかの基本的な業務プロセスが識別され、
上方収集の要件に応じて顧客情報も入手できているはずである。
そこで、まず最初のビジネスオブジェクト・モデルを構築することになる。
ビジネスオブジェクトと、それぞれの間の関係を識別し、
個々の状況におけるそれぞれのオブジェクトの振舞いを具体的に規定する。


ここで注意したいのは、

必要なのはウェブサイトのシステム構成ではなく
(もちろんそれは目指すものの一つではあるが)、
顧客とやり取りするプロセスを合理化するような
(どんなチャネルを使っていようとも)システム設計である。

即成功することを期待すべきではない。
相当量の投資を行って、効果が出るまで二年間は努力すべきである。
ネットビジネスをうまく回転させるには、
見栄えの良いウェブページを既存のシステムや業務プロセスの上に載せるのではなく、
合理化された顧客志向型の業務プロセスを支援できるように
組織を再構築することが重要なのである。


コミュニティはいつ作ったらよいだろうか。
これはプロジェクトの最初から作ることのできるものだが、
顧客との高い信頼関係を築くまでは、
本当にコミュニティを育成できる準備はまだできていないと言ってよい。
この信頼関係は、顧客の要望に耳を傾け、
顧客との取り引きの方法を常に向上させることから生まれてくる。