チャター

チャター―全世界盗聴網が監視するテロと日常

チャター―全世界盗聴網が監視するテロと日常


目次

1 砂漠のレドーム、ヒース原野のレドームエシュロンの姿なきテクノロジー
2 リークしたのは私―盗聴されている外交
3 自由の足跡―星座のように配置された基地の数々
4 黒い電話・灰色の電話―機密が侵される時
5 ゴリアテの反乱―通信信号の意味を探る
6 凶暴な巨象―プライバシー保護の前線で
7 闇の中の声―暴露と密告と
8 歯抜けたちの談話室―欧州議会による調査
9 ジハードの電話―テロリストに耳を澄ます


出版社/著者からの内容紹介
 2006年初頭、アメリカを揺るがした「個人への盗聴」問題。果たして巨大盗聴組織NSAとは? 「戦時の盗聴」は許されるのか? そして、“オーウェル的世界”はテロを防げるのか?

2001年9月10日、ひとつのチャターが傍受されたーー「果たし合いは明日から」。「安全か、プライバシーか」という二元論を超えて、 ポスト911時代の切迫する問題に挑み、もはや日常となった“エシュロン”の全貌とその限界に迫る決定書!

内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨーク市警が地下鉄への緊急防衛作戦を発動した。繰り返されるテロ警報に翻弄される市民。全ての始まりは、盗聴されたテロ容疑者の会話に含まれていた、たったひとつのチャターだった―「地下」。そもそもチャターを聴いたのは誰なのか?それは本当にテロを暗示しているのか?全世界通信傍受システムとして知られるエシュロンと、アメリカを中心とした諜報機関網UKUSA同盟の実態に迫り、我々の日常を取り巻く諜報活動の実態を明らかにする。911以降、なし崩しとなった「安全とプライバシー」のボーダー。果たして諜報機関は我々を守ってくれているのか、それとも監視しているのか、あるいはその両方なのか ―。「安全か、プライバシーか」―ポスト911時代の切迫する問題に挑み、もはや日常となった“エシュロン”の全貌とその限界に迫る。

内容(「MARC」データベースより)
2001年9月10日、ひとつのチャター「果し合いは明日から」が傍受された。安全か、プライバシーか-。ポスト911時代の切迫する問題に挑み、もはや日常となった「エシュロン」の全貌とその限界に迫る。


出版社からのコメント
“チャター”(chatter)とは、盗聴された通信に含まれるテロ容疑者の会話を指す言葉として、英米マスメディアではすっかり定着した感があります。本書はこの“チャター”を軸にして、アメリカを中心としたUKUSA同盟が現代社会における安全保障とプライバシーの問題にどのような影を落としているか、精力的な取材と徹底的な資料調査によって明らかにします。
 911以降、安全とプライバシーをめぐるマトリックスは劇的に変化しました。この丹念に編み上げられた『チャター』の議論は、それを踏まえた以下の2点に集約されます。
・盗聴網による安全保障と我々のプライバシーの間のどこに線引きをするのか。
・地球規模のハイテク盗聴網は、実効性の面からテロを本当に防ぐことができるのか。
 陰謀論を含め一時期盛んに喧伝された通信傍受システム“エシュロン”の全貌は、911以降、再び闇の中深くへと潜行しています。世界各地でテロが起こる中、米英中心の全世界盗聴システムはいわば「必要悪」として人々の関心から外れ、日本においても監視カメラ設置の推進など安全のためにはプライバシーの犠牲を厭わない動きが高まっています。本書はこの現実を受け止めた上で、諜報活動の歴史と現状を状況証拠として具に積み上げることで、不毛な左右対立に拠らない根源的な議論を展開します。冷泉彰彦氏による「訳者あとがき」には、本書の現代的意義が鋭く指摘されています。併せてご一読下さい。


カバーの折り返し
 ニューヨーク市警が地下鉄への緊急防衛作戦を発動した。繰り返されるテロ警報に翻弄される市民。全ての始まりは、盗聴されたテロ容疑者の会話に含まれていた、たったひとつのチャターだったーー「地下」(アンダーグラウンド
 そもそもチャターを聴いたのは誰なのか? それは本当にテロを暗示しているのか? 全世界通信傍受システムとして知られるエシュロンと、アメリカを中心とした諜報機関網UKUSA同盟の実態に迫り、我々の日常を取り巻く諜報活動の実態を明らかにする。911以降、なし崩しとなった「安全とプライバシー」のボーダー。果たして諜報機関は我々を守ってくれているのか、それとも監視しているのか、
あるいはその両方なのかーーー